グローバル化の進む世界において、経済活動の規模の拡大は公共部門の拡大、公共資源をめぐる利害対立の先鋭化をも伴い、その結果、資源・環境ガバナンスのあり方も問われるようになっています。JICA研究所では、発展途上国の公共空間における基礎的資源をめぐる利害関係者間の対立を考察し、将来のJICA環境協力に係る見取り図の提示を目指します。他方、地球規模での環境劣化・破壊は、人々の生活基盤を脅かす一大要因となっています。特に、気候変動は、干ばつや水害によって人々の生活を脅かしつつあります。開発途上国の貧困層は、農村部、都市部を問わず災害に対し脆弱な地域に住んでいることが多く、負の影響を最も受けやすいと言えます。JICA研究所は、自然科学分野で蓄積された知見や方法をも取り入れながら、援助の現場での経験やデータを踏まえつつ、開発途上国における緩和策推進の方法、そして気候変動への適応策の策定を進めます。
環境と開発/気候変動 プロジェクトリスト(pdf)
研究テーマ
1. 資源管理と環境一般に、民主的国家での経済規模の拡大は公共部門の拡大と共に市民社会の発達をも伴うために、公共空間をめぐる各種の利害対立が先鋭化します。資源・環境ガバナンスは、まさに公共空間の利害接触の焦点ですが、従来の研究では、資源ガバナンスのプロセスそのものが社会に及ぼす影響への視点が欠如し、政策志向的な研究も個別事業レベルに限定される傾向にありました。こうした反省を踏まえて、公共資源の配分に関する利害関係者の対立を考察材料にして、日本が将来、開発途上国との環境協力に携わる際の見取り図の提示を目指します。
2. 気候変動この分野の研究はアジアやアフリカの諸国が気候変動によって受ける諸影響を予測し、地域社会がこれらに適応するための方策と、それに対する先進国や国際機関による支援の方向性を提示することを目的とします。アジア諸国については、JICA研修事業において行われている気候変動予測を利用した研究を進めます。さらに、JICAは世銀、ADBと共同でアジア都市部の洪水予測と評価を実施しています。気候変動の緩和については、アジア・アフリカ地域の低炭素化の課題を抽出し、問題解決に役立つ国際協力のあり方を提案します。そのために、二酸化炭素発生量の予測、日本や開発途上国の行政機関の意識調査、過去のJICAプロジェクトの効果測定などを実施します。
写真:今村健志朗/JICA


